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お友達の出来ないムスメ

YUは言葉が遅かった。3歳児健診では、ちょっと心配され、健診後にフォローのお電話をいただいたこともある。

YUはちょっと個性的な子だった。2歳頃、黒と灰色と紺色で丸を並べて幾何学模様を描いていた。独特の絵柄と色にちょっと心配した。

嫌なことには言葉で表現できないためか。泣いて反抗した。泣きすぎてゲロッということも何回もあった。

そしてYUは内向的な子だった。

幼稚園は家から遠かったため、バスで行き来していた。ワタシは働いているので、帰ってから友達同士で遊ばせる、ということは出来なかった。近所に同じ年齢の子がいるかどうかは、1戸建てに住み地域に密着していないワタシにはわからなかった。

幼稚園の先生から「お友達がいなくてぽつんとしています」のような報告はなかったけれど、親しい子がいないのも事実。幼稚園は何となく集団で楽しい、というところだったようだ。

小学校に入れば仲の良いお友達も出来るだろう。学童保育に入れた。

学童の先生、曰く

「YUちゃんは、一人で遊ぶのがスキみたいですね」

一人で遊んでいるのか、一人になってしまうのかわからないけれど、ワタシがお迎えに行くと、他の子は(特に女の子は)誰かと遊んでいるのに、YUはいつも一人だった。本当、いつもいつも。心配して夫に相談する

「一人が好きなんだよ」

一人が好きでも、お友達がいないのは心配だ。ある日学童の先生に相談してみる。

「YUちゃんは、みんなと遊んでいても、いつの間にか一人になっているようですね。」

うーん、他人にペースを併せるのが嫌なのか、いつのまにか置いていかれてしまうのかわからないが、とにかく相変わらずひとりぼっちYU.でも、本人は、それで嫌とか、学校が嫌とか、そういうこともなかった。

ある時聞いてみる。

「学校で、誰が仲良しなの?」

「?」

YUは、4年生の今も、おそらく、クラスメイトの名前を全員は言えないみたい。1,2年生の頃は、隣の子の名前もわからないような状態だった。関心がないのか、必要ないのか、記憶力が悪いのか。

そんなYUにも最近ようやく特定の「少し仲よしさん」ができつつあります。相変わらず他人のペースに併せることのないYUなので、女の子特有の「横にべったり関係」にまではなっていないようですが、自分で遊ぶ約束をすることが、できるようになったようです。

まあ、親が心配するほどのことではなかったのかもしれませんが、まだまだ心配のタネの尽きないワタシです。

いつになっても、子育ての悩みはつきないものです。

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