年金改革の視点~専業主婦優遇は見直しを~
月曜日の日経新聞です
国際基督教大学の客員教授、八代尚宏さんの「経済教室」から
現行の年金制度では給付と負担を巡って二つの格差が生じている。
一つは、持続的に増加する年金受給者を減少する保険料負担者が扶養する「世代間格差」
そしてもう一つは同一世帯内の女性の就業の有無に伴う「世帯間格差」。共働き世帯が多いのは若年世代なのでこの二つの格差は密接に関連している。
パートタイムへの厚生年金の適用範囲が広がれば、低賃金でも保険料を負担する労働者と専業主婦との格差は一層際立つことになる。
また、パートタイムで働く主婦が一定の年収の範囲内に就業を抑制する場合が多い。主婦が働いても働かなくても損得のない、就業行動に「中立的」な仕組みとすることが年金制度改革の大きな柱となる。
もともと1985年の年金改革以前には、750万人もの専業主婦が国民年金に任意加入し、世帯主がその保険料を負担していた。これを改めて徴収することは「負担増」ではなく「負担の公平化」にすぎない。
急速に少子高齢化が進む社会では、働く意思と能力を持つ個人が年齢や性別を問わず就業できる環境の整備を最優先すべきである。「働くと損をする」という仕組みを放置することは不公平なだけでなく、社会的な弊害も大きい。
そもそも日本の伝統的な働き方は自営業などの共働きであった。世帯主だけが働いて家族の生活を維持できたのは、過去の高い経済成長のおかげであった。
こうした家族スタイルを今後の低成長期にも保護するのではなく、夫婦が共に働く世帯との関係でも中立的な制度に置き換える必要がある。
1985年の年金改革から25年たちました。
高度経済成長のモデル「働く夫と家にいる妻。子ども二人」というモデルは、
ゆとりのある時代には子どもにとっても家庭にとっても幸福だったのかもしれません。
ワタシ自身は働く社会人として保険料や税金を払うことは当然だと思っておりますが
これから社会に巣立つ女の子の中には
「わざわざ仕事で大変な思いをするのなら、専業主婦になりたい」
と思うケースが増えているとの話も聞きます
それはいろいろな意味で「働くと損」という考え方があることは否定できないような気がします。
実際、「扶養の枠」をめぐり収入の調整をしている人はたくさんいます。苦しい家計。お小遣いが減ってしまったら「損」ですからね。
一方で「女性も働けえ!」というのは簡単ですが、
家事も仕事も子育ても、女性だけがちゃんとやるんだよ!
みたいなことになっては困ります。男性と同じように働きながら子育ても完ぺきにこなす。なんていうことは無理だからみなさん出産をきっかけに辞めざるを得ないのです。
また、再就職にあたり、仕事をするのはいいけれど、低賃金で都合よくつかわれる女性が増えてしまうのも問題です。
もちろん、子育てに専念したい。という考え方を否定することもどうかなと思います。
さて、それではどうしましょう…
とすったもんだしているうちに、時だけがどんどん過ぎていきます
気付いたら自分もすぐに年金受給者になっているような気がします
年金、受給できるんだろうか。。。
先日、知り合いの大学生を持つお母さんが
「年金なんかもらえそうもないから、子どもの年金なんか払う必要ないと思ってるのよ」
とおっしゃっていました。
実際、若い世代ほどそう思ってしまうかもしれません
この世代間格差、世帯間格差、
解決にはほとんどの人が相当痛い思いをしなければならないのかもしれません。
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コメント
おはようございます。
(´∀`)オミソ ジコカンリ ガ アマイ ダケ ナンデス(ワラ)
年金もらえそうもないから払わなくてもいいんじゃない…??ってウチの近所でも聞いたことがあります。
国で決まっていることだから…とは思いますが、先のことがわからないだけに不安はずっと残ります。
投稿: ミカオ | 2011年11月 2日 (水) 08時18分
うちの女房も子育てを終えて働こうと思ったら低賃金の仕事しかないって言うのが現実です。
都合の良い様に使われているって、まさにそんな感じかも?パソコン音痴の同年代の男性よりも、仕事できると思いますからね。
そして、年金は自動的に給与から天引きされる訳ですが、専業主婦している場合と比べて、一体いくら多くもらえるんですかねぇ?
68歳から給付開始なんて話もありますし、長生きしないと損する事は確実ですよね。
投稿: Katsuei | 2011年11月 3日 (木) 18時04分